この問いは、これまで僧侶や瞑想実践者を魅了してきました。 そして今、チュオン・ゴー博士のような研究者たちもまた、その探求に挑んでいます。
先日、バルセロナで開催された「意識の科学カンファレンス2025(The Science Of Consciousness Conference 2025)」において、ゴー博士が発表を行い、国内外の研究者から大きな注目を集めました。
「深い瞑想状態における神経ダイナミクス(Neural Dynamics of Meditative Deep States)」
All Here瞑想研究所(ジュネーブ)にて瞑想研究ディレクターを務め、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)にルーツを持つゴー博士は、チームを率いて深い瞑想状態の科学的理解を切り拓く研究を行っています。脳の活動が瞑想における主観的体験とどのように結びついているのかを解明する取り組みです。
彼らの研究は、単なるリラクゼーションの表層的な効果を超えて、熟練した瞑想者がサマディ、ジャーナ、あるいは純粋な気づきの状態に入ったときに何が起こるのかを探究しています。これらの状態は瞑想の伝統の中でしばしば語られてきましたが、科学的に厳密に解明された例はほとんどありません。
そして、彼らの最新のEEG(脳波)研究では、テーラワーダ仏教の僧侶からヨーガの熟達者まで、さまざまな伝統に属する熟練した瞑想実践者の脳活動を記録しました。
その成果は驚くべきものでした。深い瞑想状態では一貫して、アルファ波の抑制、ガンマ波の同期、特に注目すべきは、1Hz未満の超低周波活動が観察されたのです。
かつてはノイズと考えられていたこれらの波が、深い没入や心身のエネルギー変化を示すバイオマーカーとして注目されつつあります。
この研究は、科学と内面的な体験、注意と気づき、そして心と脳の境界を改めて考え直すきっかけを与えてくれます。
また、ミャンマー、インド、日本、ヨーロッパなど世界各地の瞑想指導者との深い協力によって、伝統的な背景を尊重することの重要性も強調されました。
彼は次のように語りました。
「量より質を。科学は、測定するだけでなく、耳を傾けることも必要です」
この研究は、主観的な内なる体験に客観的な洞察をもたらし、瞑想の数値化への取り組みに欠かせない支えとなっています。
「心の静寂」が語りかけています。そして、このような協働を通じて、科学もまた、その声に耳を澄ます方法を学び始めています。
科学・テクノロジー・瞑想が交わる地点で、私たちはこれからも「科学とテクノロジーとともに瞑想の世界へ」を探求し続けていきます。